1つ1つの部材をすべて自分で選びたかったからこの方法となったが、この家の暖房方式もこれから生まれた。つまり、工務店だとなかなか実現できなかっただろう。 そもそも、軽井沢は寒冷地であるのに、下手をすれば、家を建てたビルダーから暖房方法に関してなんの提案もないことがある。 ばかばかしい話である。家の性能面での根幹となる断熱、気密計画は、暖房方法と切っても切れない関係にあるはずなのに。
前回の家では、FFヒーターを2機1階に置き、寝室には補助暖房としてインターサーモを置いた。 セカンドハウスであるので、到着したときに冷え切っている家をすばやく暖めるには効果的だった。しかし、問題は温風がいかにも不快であること、そして、空気だけを暖めても家自体は冷えているので、不愉快な冷輻射があった。
つまりは、暖房の”質”の問題だ。
今回は、まず灯油ボイラーを熱源とするサーモを8機置いた。これだけだとまああたりまえだが、工夫のしどころは、まず基礎断熱としそしてサーモを床下に置いた点だ。当然、サーモの真上はガラリを切って、暖かい空気が床上に上がってくるようにした。つまりは、輻射方式の床下暖房である。
多分、寒冷地の住宅でもあまり採用されていない方法かと思う。
結果? とても快適である。 床は温かくはないが冷たくはない程度にまで暖められるので、床暖対応でない普通の無垢材のフローリングを貼れる。 不愉快な熱風が顔にかかり、顔が火照るが、なんとなく足元が寒いということもない。 大成功である。 第二の副産物は、床下を暖めることで水抜きが要らなくなった。冬にくるときに水抜きをやる必要があるか否かは大きい!
しかしながら、誤算があった。
窓が半端ではなく結露するのである。 せこいシングルガラス + アルミサッシならわかる。しかし、マービンのLow-E 木製サッシである。この窓で結露するなら、およそすべての住宅の95%が結露するだろう。
そうこうするうちにあまりにカビがくる。 せっかくの木製サッシがだいなし、、そもそも、なんで結露するのかが理解できないせいで鬱にはいってしまった。
理由と解決策は簡単なところにあった。 高性能窓をもってしても結露するのは、結局空気中の絶対湿度が高いせいだ。では、この水分はどこからきているのだ? 答えは床下のコンクリート。なんでも基礎のコンクリートが乾くのに2-3年かかるらしい。 普通、床断熱だと、床下の空気は遮断されていて多少しけってもオッケイ。
(まあ土台によくないので、換気するらしいが) でも、この家では暖気を取り入れるためにガラリを切りまくっている。 湿気の進入経路はここであった。
解決策: わたしだけでなく、ビルダーも同罪なのであるが、笑っ、換気計画に無頓着で実は、3種換気システムがつけてあったのに、換気してなかった。 せっかく暖めた空気が逃げるだろうみたいな認識だったのだ。
これをつけてみる。すると1階の結露はなくなった。2階もめだって少なくなる。
なんともはや、先端の暖房計画と思わぬ落とし穴。常々、住宅の建築会社は自分たちの採用している技術だけけを信奉して、新しい方法へのチャレンジ精神に欠けているように思えて不満だった。しかし、ビジネスとして考えるとわからなくもない、頭をしぼって考えて採用した基礎断熱 + 床下暖房に結露という盲点があった。
まあこれは解決できたのであるが、なるほど住宅産業とはクレーム産業と揶揄されるはずだと認識を新たにした。
音は上へと抜ける性質があると見えて、自分に跳ね返ってくる音が希薄であるような気がする。
スタジオ用にとつくった部屋へと移動し、再び弾いてみる。 音が跳ね返ってくる。しかし、音の形がそのまま戻ってくるのではなく、輪郭がかなりぼやけて戻ってくる。
つまりは天然リバーブだ。
かなりいい感じだ。やはり、珪藻土の塗り壁はクロスなどよりも音響効果上有効だ。
はやくハウスウォーミングライブを企画せねば。
しかしながら、予算の都合上遮音シートをはしょったのでドラムの音がどの程度鳴り響くのか、
だけが心配ではあるが...
大岩さんのリクエストに応じて家の中の写真を2点ほど。 今回ちょっと冒険かなとおもったのが、キッチンを完全にオープンにしたこと。しかし、いままでの所、特に不都合は感じていず返ってよかったかな。
しかし、この吹き抜けのオープンエリア、実は予算削減のために元のプランよりも1.5Mぶっちぎっている。
それでも、166平米と結構な大きさの家であるのだが、キッチン、ダイニング、リビングをすべて集めたこの部分はやはり、1.5mといわずとも、あと50cmあれば違ったな、と少し後悔。
それにしても、蜜蝋ワックスを塗っただけのダグラスファーのピンクがかった肌合いは美しい。1本ごとの柱の色というよりは、全体の構造を遠めに見た際に、なんとはいえない淡い色彩が印象に残る。
リビングの中央にでんと鎮座ましている極大本棚は前の家からの持込。北海道ミズナラの総無垢製の大物である。実は以前は吹き抜け部分においていたので、高さに無頓着で作ったら、今回の家では上の梁にぎりぎりの高さで収まった。あと1cm高ければ、梁を削る羽目に陥っていた。
数日間、荷物とかかりきりで格闘した結果、どうにか片付いてきた。 この新しい家の感想は今後徐々に熟成されてくるだろうが、とりあえずはいい感じ。 唯一の問題は窓の結露だ。マービンの木製ペアガラスを使ったのにもかかわらず、かなり結露がする。 除湿機をかけたら結構水が取れたことから、珪藻土、基礎のコンクリート、そしてティンバー(今年の悪天候にたたられて結構雨中の建築を強いられた) から、湿気が放出されているようだ。
窓枠がかびないようにまめにふき取りながら、それでもこの新しい家を楽しんでいる。 前回の家で問題であった室内の音の反響は、この家ではほとんどない。 このあたり、こだわったセルロースファイバー(外壁だけではなく、仕切り壁にも全面的に充填した)そして珪藻土塗り壁が奏功しているようだ。 ここで爪弾く60年代製ギブソンの響きには素晴らしいものがある。
やっとのことで完成したハーフティンバー#2. 前回と異なり、柱をダグラスファーの元々のオレンジに近い色に押さえたので、かなり違った感じとなった。
1棟目の建築で知り合った人たちをスタッフに迎えたので、気楽に構えたプロジェクトであったが、いかんせん見込みが甘すぎ、改めて家作りの難しさを実感することとなった...
以下雑感
~ 北米といえども、大径木の入手は難しくなっているのか? 改めて、ティンバーフレームの価値を再確認。
~ 建材はすべて根上傾向にあるのではないか? 最大の原因は、なんといっても中国が部材供給ONLYから消費国として資材を吸い込みだしたため?
~ 日本のテーストに満足しきれない施主にとって朗報: コーラーやアメリカンスタンダードなどの輸入部材を並行輸入で安く入手できるようになった。それもウェブベースで。 今までは、TOTOなどでがまんするか、あるいは3倍ほどの(!?)プレミアムを負担して正規代理店のぼったくり価格を支払うほかなかったが、今では日本ものとあまり変わらない値段で、輸入部材を購入できるようになった。これは大きい!
~ 軽井沢の建築ラッシュ: 静かな森という軽井沢の最大の価値が失われないように! 町は家を建てる際の木の伐採制限の強化、基本1区画300坪の徹底などさらに規制を厳しくする必要があるように思える。そうでないと、軽井沢は森ではなく、新興住宅地と化してしまうかも。そんなことになれば、失ったものは計り知れなく大きい。
